桃山時代より続く唐津焼は、朝鮮半島から伝わった技法を礎に、日常の器として発展してきました。
素朴でありながら力強く、土と炎が生み出す自然な表情をそのまま生かすこと。
使うほどに味わいを増し、暮らしの中で完成していくこと。
唐津焼は、実用の美を大切にしてきた焼きものです。
その唐津焼の歴史とともに歩んできた中里家の系譜の先に玄窯があります。
祖父である人間国宝十二代中里太郎右衛門(中里無庵)によって確立された唐津焼の精神。
その志を受け継ぎ、父中里重利はこの地に「三玄窯」を築き、土と炎に真摯に向き合い続けてきました。
しかし時代の移ろいとともに、三玄窯の名は一度表舞台から姿を消すこととなる
そして現在、子である窯元中里嘉孝が、かつて三玄窯(佐賀県唐津市)があった同じ場所に再び火を入れ、玄窯としてその歩みをつないでいます。
一度途絶えた窯を復活させるという選択は、過去をなぞるためではなく、唐津焼を未来へと手渡すためのものです。
祖父と父から受け継いだ確かな技と美意識を礎にしながらも、時代や暮らしの変化に向き合い、自らの感覚で器を形にする。
中里嘉孝の唐津焼は、伝統に深く根を張りながら、静かに次の時代へと進んでいます。
玄窯の唐津焼は、主張しすぎることなく、料理や暮らしを引き立てる存在です。
一つひとつ手仕事で生み出される器は、同じものが二つとありません。
日常の食卓に、そして特別なひとときに。
使うほどに愛着が増し、時とともに完成していく器を、ぜひお楽しみください。
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